2010年10月29日金曜日

随人観美



夏から突然初冬になってしまって、どうなってるのでしょう。


なんだか秋を感じたくて自宅に秋の花をいけ、気分を変えてみました。




ところで、今日は「随人観美」という言葉についてです。


意味は人に従ってその人の美を観ろ、その人だけがもっている美、長所を観ろ、という意味で、禅語だそうです。


人の長所を観るというのは、教育の根本だと思いますが、これが意外と難しい。


人にこちらの話に耳を傾けてもらうには、相手を好きにならなければ無理なのです。


ところが、相手を好きになるためには、相手の長所を観なければなりません。


周囲が友達ばかりだと問題ないのですが、そういう環境にはいない私は、どうやって相手を好きになれるか、に苦しむときがあります。


人間には相性があるので、周囲の人が増えれば増えるほど相性のよくない人も増えてきます。


相性のよくない人の弱点や欠点はよく目につくのです。欠点が目につき、「いやだな~」という気持ちが自分の中で芽生えると、ほぼ100%相手に伝わります。


その結果、力を出してもらうべき人の力が十分出ないで、本人も私も不本意な状況になります。


そこで、今年も残り2ヶ月、「随人観美」を目標に。

2010年10月25日月曜日

仲間


今年も年に一度の、仲間内でのミニミニコンサートが自由が丘で開かれました。


参加者は約60人。



演奏者も聴衆も同年代、すなわち団塊の世代前後か、その家族/知人でした。


ほほえましかったのは、バンド結成後4ヶ月で初参加した3人組。持ち歌は3曲で、結局アンコールに応えてこの3曲全部を歌ってくれたことです。


第二の人生を送っているはずの男性3人の歌は、優しい聴衆に大受けでした。


ところで、今回のコンサートで気付いたことは、バンドのメンバーである女友達の歌が上手になっていたことと、体調をくずしている人が多いということでした。


友達の歌がうまくなっていたのはとても嬉しかったです。


努力を続けていると少しずつ自信が出てきて、自信が出てくるとますますよくなる、というよいサイクルに入っているようです。



ボイストレーニングの先生、保坂三奈子さん。コンサートの後の懇親会会場での写真です。


私も保坂先生に習いたいと思ったのですが、思いが弱いと続かないのでだめですね。




気がかりは数人の仲間が体調をくずしていること。


皆元気で、来年も楽しい会を開けますように。

2010年10月15日金曜日

チリ落盤事故とドラッカー

昨日はチリの落盤事故で生き埋めになった33人が救出されてほっとしましたね。


この事故に関連してドラッカーの名前が出てくるとは。


リーダー格の人がドラッカーの愛読者であったようです。


もし、このリーダーがいなかったら、いても組織のマネジメントについて無知であったら、全員が無事に帰ってこられたでしょうか。


600mの地下でのキーワードは、「組織化」と「目標の自己管理」だったかもしれません。


「組織化」することによって、凡人の集まりが、非凡なこと(地上への生還)を成し遂げる基盤が作られたことになります。


組織の目標は当然"全員での地上への生還”で、もうだめだと思う心を支える基盤になったのでしょう。


"全員での地上への生還”という目標を達成するために役割の分担をし、「目標の自己管理」が行われたようです。


無事救出された人たちは、組織を離れて普通の個人となり、新たな目標に向かいます。


強烈な目標を達成した後の人生をうまく乗り切っていくのも、また難しいことです。


救出された33人の英雄扱いはほどほどにしないとね。

2010年10月8日金曜日

本1冊のリライトを終えて



酷暑の8月に始まった英日翻訳のリライトがつい先日終わりました。本の翻訳のリライトでした。




すぐれた翻訳者の翻訳でしたが、時間的な制約が厳しく、翻訳者は大変だったと思います。



本の内容は、グローバル企業の中国+インド戦略についてです。


私のところにリライトの仕事がまわってきたのは、内容がおもしろかったので原文を全部読んでいたからなのでしょう。


リライトした翻訳は、大学の先生の監修、大学と出版社での校閲を経て、11月には出版される予定です。



久しぶりに翻訳の現場の仕事をして、意義深い2ヶ月でしたが、ストレスもたくさん感じました。


プラス面は、日本語での言葉の組み合わせの厳密さ、そして翻訳の楽しさと大変さを再確認できたことです。


言葉の組み合わせに関しては、英語で許される言葉の組み合わせを辞書どおりの訳で日本語にすると、おかしな日本語になる、ということです。


たとえば、"pursue"という動詞は英語では"market"という名詞と一緒に使うことはできても、日本語になると「市場」と「追求する」という日本語は、ほとんどの場合ダイレクトには結びつかないということです。


”英文解釈”の影響からなかなか抜けきれません。


マイナス面は、自分の本来の仕事をするエネルギーがリライトに吸い取られてしまったことです。


急ぎの大事な仕事が山積みになり、ストレスがたまりました。


それでも、有意義な2ヶ月でしたが、また「やる?」って聞かれたら、「う~ん」と考えてしまいますね。


でも、選択の余地がなければ、またやります!


まだ、出版されて本の評判を聞くまでは安心できませんが、とりあえず一仕事終え、清々しい気持ちです。



2010年10月1日金曜日

突然の指名!


12月13日(月)、(社)日本翻訳連盟主催の第20回翻訳祭が開催されます。


パンフレットはゲラの状態なので、きれいになるはず。


翻訳祭は今年20周年記念なので、基調講演、メイン会場でのパネルディスカッション2つ、同時に19セッションを企画しています。


講演者も決まり、パネルもセッションも出場者が決まって、これから広報の段階に入るところに、事務局からの電話です。


メイン会場のパネルディスカッション1つがうまくいかず、モデレーターになって企画をしてくれ、とのすごい内容です。


時間の猶予は実質4~5日。時間がないよ~、という気分。


とりあえず、モデレーターを引き受ける人が見つからず、事務局の苦衷を察すると断るに断れず。


翻訳者のパネルディスカッションということだけは決まっていたので、「強い翻訳者から学ぶ~いかにしてお客様の満足を得るのか~」というタイトルをひねり出す。


ここで、一番の問題は自分が「調整型」の人間でない、ということです。


モデレーターの役割は「調整」なのに。


将棋の羽生名人の「人間には二通りあって、不利な状況を喜べる人と喜べない人がいる」という言葉をなぜか思いだす。


明らかに不利な状況なので、とりあえずこの状況を喜こんで受け入れることにします!