2011年5月27日金曜日

貧乏



先日、ある翻訳関係の会合で「貧乏」という言葉を久しぶりに聞きました。



翻訳の仕事は特にもうかる仕事とはいえず、貧しい業界と言われているのは確かです。



これは多分、翻訳はアマチュアとプロの境界線が引きにくい仕事であるため、市場規模のわりには参入者が多過ぎるのでしょう。


また、労働集約型の仕事で零細企業が多いのも、貧しいと言われる理由の一つかもしれません。


平成21年度の国税庁調査によると、サラリーマン男性の平均年収は約500万、女性は260万。


ビジネス ドキュメントの翻訳をしている個人翻訳者の年収は、上は1,000万以上、下は200万くらいでしょうか(私の推測)。


200万はきついですが、実力があればもっと稼げます。


翻訳を個人でやっている限り、力仕事の面があるので、収入には限界があります。


でも、好きな仕事を自宅でできて、幸せ度は結構高いかもしれません。


日本で、本当の意味の「貧乏」な人はどれくらいいるのでしょうか。


多くの日本人がこの言葉を使うときに甘えを感じるのは、私だけですか?

2011年5月23日月曜日

『いねむり先生』

どうしても読みたかった伊集院静の『いねむり先生』がやっと手に入り、2日間で2度読みました。





2週間前に同じ作者の『大人の流儀』について書きましたが、この作家はとても大きな壁を乗り越えたようです。


この本は、何も悲しいことが起きているわけではないのに、読んでいて涙の出てくる本です。


多分、人間の孤独、苦しみのすさまじさと、そこから出発したやさしさに泣けてくるのでしょう。


妻(女優の夏目雅子)を亡くし、ギャンブルとお酒で生きていた著者が色川武大(阿佐田哲也)との交流で救われていく話です。


身近に、妻と別れ、アルコール依存症になり、亡くなった人がいます。


なんとか力になろうとしましたが、結局何もできませんでした。


この本を読んで初めて、友人が抱えていた寂寥感の大きさに思いあたりました。


人の苦しみが本当にわかるのは、同じような苦しみを経験していて、真の意味でやさしい人だけなのでしょう。


それにしても、色川武大といい伊集院静といい、いい本を書く人って大変な人が多そうです。


2011年5月16日月曜日

人前で話す

地震以来、ブログをアップする日が毎週金曜日から月曜にずれていましたが、やっと先週金曜日に元に戻せると思ったら、このブロガーがメンテナンス中でだめでした。





さて、今週から毎週火曜日の朝礼で、社員が一人ずつ順番に23分話をすることになりました。





話す内容は、うれしかったこと、苦しかったこと、楽しかったこと、感謝したこと、助けてもらったこと、感動したこと、腹の立つこと、悩みなど、人の悪口以外は何でもOK。


私自身、もう朝礼で話すことのつらさはほとんど感じなくなりましたが、それでも話題探しに苦しむことがあります。


これがいいのです。


何かを話さなければならないと苦しむと、少し深く考えるようになります。


社員は若いので、中にはあがってうまく話せない人もいるでしょう。



でも、繰り返すと度胸がついて、だんだん自信がついてきます。


そして、少しずつ成長していけるのです。


楽しみです。

2011年5月10日火曜日

大人の流儀



連休中に読んだ伊集院静の『大人の流儀』はタイトルどおり大人の本です。


著者の物の見方がちょっと斜めで、深く、心にひびきます。




私も、この本に書かれている「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」という言葉がわかる年になりました。


昨日は私の誕生日でした。


ある人から誕生祝いの電話をいただき、「自分が困っているときこそ、もっと困っている人を助けよう」と言われました。


私は、今のところなんとかふんばっていますが、震災で大きな打撃を受けた仲間がいます。


今こそ、小さいなことでも自分より困っている人に対して何ができるか考えるべきときなのです。


先日、震災の影響を受けた仲間は、平然とした顔をしていました。


大人はつらい!

2011年5月2日月曜日

旅館と経営者

経営母体が変わったために、すべてが変わってしまった温泉旅館があります。



この温泉旅館には数年前に一度泊って、値段よし、お湯よし、食事よし、お酒よし、と私の中では比較的評価の高い旅館だったのです。



ところがうかつにも、この旅館は一度破綻して、経営者が変わっていることを知りませんでした。


比較的早い時間に温泉地に着いたので、荷物を預けに旅館に寄ると。。。


まず、ドアがきちんと閉まらない、マットレスが曲がっている、ごみが落ちている。


「おやっ」と思って中に入ると、フロントの人の目に緊張感がなく、空気が殺伐としています。


泊まった結果わかったことは、この旅館の経営方針がコストの徹底削減である、ということです。


コストの徹底的削減は当たり前のことですが、客に対する思いが伝わらなくてはね。


すべての備品の数が少しずつ足りないのです。必要な数量マイナス一、という感じでした。


前の経営者は、きっと客を喜ばせることを考えてはいても、コスト意識が高くなかったのでしょう。


今回の経営者は、いかに利益を上げるかに意識を集中しているようです。


せっかくお湯がいい旅館なのに、もったいないな。。。