2016年3月25日金曜日

達人

先日、千葉県香取でめったにいない人に出会いました。




「神の手」をもつ古武道のある流派の4代目。

白髪の体格のいいエネルギーに満ちた人でした。







この人のところに行った目的は首の治療。

首の痛みは筋膜治療で治ったのですが、筋膜治療の間があいたり、寝不足が続くとまだ痛みが出ます。

車に追突されてむち打ち症になった友人が30分で完治したから行ってみたら、とこの先生を紹介してくれました。

予約は3週間~4週間待ち。

ごちゃごちゃした部屋に薄い布団が敷いてあり、横になるとしばらく身体をさわっていてました。

それから、おもむろに「あんたは年中昼間やってんだよ」とわかりやすい表現。

つまり、自律神経失調症。

それから、先生は自分の膝の上に私の頭を乗せて、片手で首のまわりをくるくると治療。

その間、もう一方の手でアルバムを取りだし、治療に来た有名な歌手、ゴルフや野球選手などの写真を見せてくれました。

先生の話が自慢話に聞こえないのはお人柄で、治療は15分くらいで終わり。

「治したぞ。これで治らなければ俺は治せん」とのストレートなお言葉。

結果は、今のところ概ねOK。

最後に先生に年齢をうかがうと「まだ85だ」とのこと。

古武道の中でもかなり荒っぽい流派のトップのようですが、人生の達人とお見受けしました。


2016年3月18日金曜日

業界活動終了

会社設立以来30年、25年間は日本翻訳連盟会員であり、私はこのうち15年は連盟の理事をやっていました。



来年度は理事改選の年。

今回は立候補しません。

業界活動は若手に任せ、今後10年で会社の将来の基盤をゆるぎないものにしていくことに全力を尽くします。






翻訳連盟にかかわっている期間は矢のように過ぎましたが、この間に連盟は大きな発展をとげました。

業界は、Cottage industryと言われた家内工業的時代から、最先端のランゲージテクノロジーを駆使する時代に変化。

この変化に対応できない会社は廃業するか吸収されるかです。

今や業界の地図は2極化してきています。

2016年度6月にはオフィスも倍の広さになり、多くの社内作業者を収容できるスペースができます。

おもしろい展開になりそうです。

と、いつも先を夢見て30年過ごしてきました。

同じことがまだ続きそうです。


2016年3月11日金曜日

年度末

毎年あっという間にやってくる年度末。

今年も3月末まで、残り実質労働日は2週間弱。

Photo by: Jonas Löwgren



2月から3月にかけては仕事が増え、徹夜、休日出勤が増えます。

頑張ってはいても、心の中で悲鳴が上がっていそうな社員もいます。






創業以来30年、翻訳プロセスは劇的に変化をしています。

最後に現場を手伝ったのは10年以上前。

当時使っていたツールへの対応能力がぎりぎりで、危ういところで納期遅れになりそうで周りをヒヤヒヤさせました。

それ以来、手出しはできません。

2月~3月は現場が忙しく、4月はマネジメントが忙しくなる月。

翻訳業界では、経営者が元翻訳者だと会社が成長しないと言われています。

たしかに私の知る限り、この業界大手の経営者で翻訳者出身はほとんどいません。

私は翻訳者出身なので、事業戦略や成長戦略を画くことは得意ではありません。

私の不十分な能力を支えてくれるスタッフがいるからこその会社経営だと強く思うのはこの時期です。

2016年3月4日金曜日

人工知能と産業日本語の出会い:セミナー

「人工知能と産業日本語の出会い」というテーマで、第7回産業日本語研究会・シンポジウムが開催されました。



「産業日本語」と呼ばれる日本語とは、大雑把にいえば、日本の産業界全体の競争力強化に資する日本語のことです。

翻訳のビジネスとも関係があり、多様性のある日本語による産業・技術文章の正確な記述の必要性は感じています。

今回のテーマについてのプレゼンで一番印象に残ったのは、世界から人材を集めてAIの開発を行っているリクルートのAI研究所。




リクルートのビジネスモデルは、求職者サイドのデータと企業が提出する募集データを集め、マッチングすることです。


リクルートは、AIによる言語処理により「まだ、ここにない、出会い」の創出を目指しています。

AIが人間の仕事を奪うという人もいますが、AIの進化により社会で必要とされる仕事の質が変わるのだと思います。

たとえばAIを使う目的を決めるのが人間で、その過程の処理をするのがAIなのでしょう。

今回のシンポジウムで、AIと言語処理の意味の重要さについての意識は高まりました。